控え目に甘く、想いは直線的
決心したといっても、本当に忙しく、仕事以外の話を出来る雰囲気が全然ない。

私も大石さんから与えられる業務の量が多く、息つく暇もなく動いていた。

そして、今日が最終面接で私の担当は案内係。今年はグループ面接がなく、書類審査と筆記試験で応募者250人から60人に絞った。

去年の最終面接は人事部長との一対一だったが、今年は要さんの他に大石さんと総務課長が加わり、三対一の面接が最終面接となっている。

合格者は20人と去年よりは多いけど、狭き門であることには変わりはない。

一日で60人も面接は出来ないので、三日間かけて行われる。私は案内をするだけだが、一人一人を見る要さんや大石さんは大変だと思う。


「一番の方から順番に番号でお呼びしますのて、呼ばれたら、二つ隣の面接室に行ってください。ドアに面接室と書いた紙が貼ってあります」


案内係は私の他にもう一人いて、総務課の園田さんという人だった園田さんは、入社六年目で去年も採用試験に関わっていたらしく、説明も率先してやってくれるので、心強い。
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