控え目に甘く、想いは直線的
「すごい、すぐプロポーズだなんて映画とかドラマみたい。本気の恋なんですね」


遠回りをした二人だけど、再会して結婚にまで至ることは、それこそ運命だし、素敵だと思った。


「俺も一応本気の恋なんだけどね。涼たちのことに感動するのもいいけど、俺たちのことも本気で考えてくれている?」


「も、もちろんです」


「もうすぐ着くよ。せっかくだから、本気の恋をしてますと挨拶しておこうかな」


「ええっ! いきなりですか? それはやっぱり心の準備もいると思うので……えっ、どうしよう。絶対ビックリすると思いますし、それに、恥ずかしいというか」


母や姉の喜ぶ姿が目に浮かぶが、知られるのが恥ずかしい。父はどんな反応をするか想像できないが、やっぱり父に知られるのも恥ずかしい。

要さんが恥ずかしい人と言うのではなく、私に付き合っている人がいるのを知られるのが恥ずかしい。

いろいろと混乱していると、家の前に到着してしまい、バッグを胸に抱えて、要さんを見る。
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