控え目に甘く、想いは直線的
涼さんが私に真っ白な封筒を渡してきた。そこには『野々宮夕美 様』と私の名前が書かれていた。

これはもしかして、結婚式の招待状?

手の中にある封筒がものすごく輝いて見えた。


「まだ大丈夫だったんだ」


要さんが涼さんの隣に立ち、私が持っている封筒を見る。


「うん。朝イチに美月に話して、確認してもらった。で、さっき届けてくれたから、すぐ持ってきたよ」


「ありがとうございます!」


昨夜、涼さんの結婚式の話を要さんから聞いて、私も行きたいと漏らした。それを要さんが涼さんに話して、美月さんにすぐ伝えてくれたらしい。

もう返信受付も締め切ったし、席次を決めている最中だと聞いたから、行きたいと言っても叶わないと思い、あとで写真を見せてもらおうかなと考えていた。


「夕美ちゃんには甘いけど、俺には厳しいからね。行きたがっているからなんとかしろって言われたんだよ」


「そんなこといちいち言わなくていいから」


楽しそうに話す涼さんを要さんが制する。そんな様子を見ていた大石さんがガタッと立ち上がった。
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