控え目に甘く、想いは直線的
「一人ずつ名前を呼ぶので、呼ばれたら前に出て社長から辞令を受け取ってください」
社長と専務の話が終わり、辞令が渡される時となった。名前を呼ぶのは人事部長だ。
反対側の端から呼んでいったので、私は一番最後。どこになるんだろう、総務部ありますように。
心の中で祈った。
「三上柊花さん」
「はい」
「………販売戦略部企画課勤務を命ずる」
柊花がしっかりと前を見て、辞令を受け取った。販売戦略部は、涼さんがいる部だ。私もそこがいいけど、無理そう。
せめて総務部に!再度、心の中で祈る。
「野々宮夕美さん」
「はい」
社長の前に立ち、真っ直ぐと見る。人事部長よりも涼さんに似ている感じがした。目尻を下げて微笑む顔は優しそうだ。
「………人事部人事課勤務を命ずる」
「えっ?」
「なにか?」
「いえ、なんでもありません。ありがとうございます」
慌てて頭を下げて辞令を受け取った。
人事部?
本当に人事部なの?
そっと受け取った辞令を確かめるが、人事部と間違いなく書かれている。
社長と専務の話が終わり、辞令が渡される時となった。名前を呼ぶのは人事部長だ。
反対側の端から呼んでいったので、私は一番最後。どこになるんだろう、総務部ありますように。
心の中で祈った。
「三上柊花さん」
「はい」
「………販売戦略部企画課勤務を命ずる」
柊花がしっかりと前を見て、辞令を受け取った。販売戦略部は、涼さんがいる部だ。私もそこがいいけど、無理そう。
せめて総務部に!再度、心の中で祈る。
「野々宮夕美さん」
「はい」
社長の前に立ち、真っ直ぐと見る。人事部長よりも涼さんに似ている感じがした。目尻を下げて微笑む顔は優しそうだ。
「………人事部人事課勤務を命ずる」
「えっ?」
「なにか?」
「いえ、なんでもありません。ありがとうございます」
慌てて頭を下げて辞令を受け取った。
人事部?
本当に人事部なの?
そっと受け取った辞令を確かめるが、人事部と間違いなく書かれている。