控え目に甘く、想いは直線的
「なんで採用を10人から11人に増やしたのですか?」
余程のことではない限り、決まっていた採用人数を増やすことはないと思う。
「最初に決まった10人は野々宮さん以外の10人で、野々宮さんはおまけだ」
「はい? おまけですか? なんで……」
おまけだとしてもなんでおまけなのが私か分からない。不採用のはずが採用になったことは喜ばしいことだけど、謎だ。
不採用になった人の数のほうが多いのに、そこから私が選ばれた理由は何?
「俺が欲しいと思ったからだ。それで人事部を設立した。今年は人事でやることが増えたからというのもあるけどな。じゃ、説明の続きをするから三ページ目をを開いて」
さらっと答えを言っていたけど、ますます分からなかった。なんで私を欲しいと思ったのか……私は自分でも自覚しているように魅力的な人材だとは思わない。
部長の説明はほぼ大石さんの業務に関することだったから、私は耳に入ってくる説明を右から左へと流し、入社出来たことの奇跡を考えていた。
余程のことではない限り、決まっていた採用人数を増やすことはないと思う。
「最初に決まった10人は野々宮さん以外の10人で、野々宮さんはおまけだ」
「はい? おまけですか? なんで……」
おまけだとしてもなんでおまけなのが私か分からない。不採用のはずが採用になったことは喜ばしいことだけど、謎だ。
不採用になった人の数のほうが多いのに、そこから私が選ばれた理由は何?
「俺が欲しいと思ったからだ。それで人事部を設立した。今年は人事でやることが増えたからというのもあるけどな。じゃ、説明の続きをするから三ページ目をを開いて」
さらっと答えを言っていたけど、ますます分からなかった。なんで私を欲しいと思ったのか……私は自分でも自覚しているように魅力的な人材だとは思わない。
部長の説明はほぼ大石さんの業務に関することだったから、私は耳に入ってくる説明を右から左へと流し、入社出来たことの奇跡を考えていた。