控え目に甘く、想いは直線的
初めての失恋
入社してから、私はいつ涼さんに会えるかと毎日そわそわしていた。
しかし、二週間は新人研修ということもあり、人事部と会議室にしか出入りをしていない。一応社内を一通り回ったが、まだどこに何があるか把握も出来ていない。
会えるチャンスは通勤途中かと駅からオフィスまでの5分の距離を挙動不審にキョロキョロ見渡してみるが、全く姿が見えない。
涼さんは本当にここで働いているのだろうか。
そんな疑問まで生まれてきていた入社してから一週間が経ったある日の朝、後ろから声を掛けられる。
「野々宮さん、おはよう。毎日この時間なの? だから、早いんだね」
「大石さん、おはようございます。大石さんは珍しいですね」
「うん。朝イチに確認することがあってね」
大石さんと一緒にエレベーターに乗り、10階で降りた。
人事部に入ると「おはよう」とパソコンを見ていた部長が顔をあげる。
私よりも部長のほうがいつも早い。
部長よりも早く出社しなくてはいけないと思ったが、「俺より先に来るな」と言われ、部長よりも早くに出社することを断念した。
部長は帰るのもこの中で一番遅い。
しかし、二週間は新人研修ということもあり、人事部と会議室にしか出入りをしていない。一応社内を一通り回ったが、まだどこに何があるか把握も出来ていない。
会えるチャンスは通勤途中かと駅からオフィスまでの5分の距離を挙動不審にキョロキョロ見渡してみるが、全く姿が見えない。
涼さんは本当にここで働いているのだろうか。
そんな疑問まで生まれてきていた入社してから一週間が経ったある日の朝、後ろから声を掛けられる。
「野々宮さん、おはよう。毎日この時間なの? だから、早いんだね」
「大石さん、おはようございます。大石さんは珍しいですね」
「うん。朝イチに確認することがあってね」
大石さんと一緒にエレベーターに乗り、10階で降りた。
人事部に入ると「おはよう」とパソコンを見ていた部長が顔をあげる。
私よりも部長のほうがいつも早い。
部長よりも早く出社しなくてはいけないと思ったが、「俺より先に来るな」と言われ、部長よりも早くに出社することを断念した。
部長は帰るのもこの中で一番遅い。