控え目に甘く、想いは直線的
私は今日の資料の上に10時と書いて丸で囲った。


「それと、金曜日に歓迎会をするけど、二人の都合はどう?」


「俺は大丈夫です」


「野々宮は?」


「はい、私も大丈夫です」


「よし。じゃあ、歓迎会の詳細はあとで連絡するから」


朝のミーティングはいつも10分くらいで終わる。デスクに戻り、パソコンを閉じ、タブレットを持って大石さんと並んで会議室に向かう。

会議室の鍵は大石さんが毎朝総務部で借りて来てくれていた。

中に入り、電気をつけてから一番後ろの席に自分の荷物を置く。

私は研修を受ける必要がないと初日に言われたが、私のやることは準備くらいなので、その後はうしろで話を聞いていていいと言われた。

だから、他の新入社員とは少し席が離れてはいるものの同じように研修を受けている形となっている。

おまけだから他とは違うと言われているようで悲しくなっていたから、受けれることが嬉しかった。


「夕美、おはよう」


「柊花、おはよう」
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