控え目に甘く、想いは直線的
涼さんの後ろからふんわりとした可愛らしい女性が顔を出す。
「ああ、美月(みつき)ちゃん。こんばんは」
「涼、紹介してもらってもいい?」
大石さんと私を見た美月さんは涼さんに寄り添って、訊ねる。
「えっと、こちらが大石さんで、兄さんの高校時代からの友だち。それと、こちらは入ったばかりの新入社員の人で野々宮さん」
私は立ち上がり、「はじめまして」と頭を下げた。いつものように「夕美ちゃん」と呼ばれないことに寂しくなった。
美月さんに誤解されたくないのだろう。私に誤解するようなところは何もないと思うけど、意外に慎重なのかもしれない。
「新入社員さんなのね。それで、こんなにも初々しい感じがするんだ。これから頑張ってね。私、坂下(さかした)美月といいます」
首を傾げながら、微笑む姿は本当に可愛い。それに品がある。
この美月さんと涼さんの関係は……同じように「はじめまして」と言った大石さんが言葉を続ける。
「そういえば、結婚は秋だっけ?」
「うん、そうなんだ」
付き合っているのだろうとは思ったけど、まさかの婚約者だった。
「ああ、美月(みつき)ちゃん。こんばんは」
「涼、紹介してもらってもいい?」
大石さんと私を見た美月さんは涼さんに寄り添って、訊ねる。
「えっと、こちらが大石さんで、兄さんの高校時代からの友だち。それと、こちらは入ったばかりの新入社員の人で野々宮さん」
私は立ち上がり、「はじめまして」と頭を下げた。いつものように「夕美ちゃん」と呼ばれないことに寂しくなった。
美月さんに誤解されたくないのだろう。私に誤解するようなところは何もないと思うけど、意外に慎重なのかもしれない。
「新入社員さんなのね。それで、こんなにも初々しい感じがするんだ。これから頑張ってね。私、坂下(さかした)美月といいます」
首を傾げながら、微笑む姿は本当に可愛い。それに品がある。
この美月さんと涼さんの関係は……同じように「はじめまして」と言った大石さんが言葉を続ける。
「そういえば、結婚は秋だっけ?」
「うん、そうなんだ」
付き合っているのだろうとは思ったけど、まさかの婚約者だった。