控え目に甘く、想いは直線的
「待つか。そろそろ食べ終わる人もいるだろう」


部長が言うように昼休み開始と同時くらいに入った人が食べ終わる頃のようだった。

数分待つと何人かが出ていき、1つのテーブルに案内される。幸い待つ人は私たちしかいなかった。席につくなり、すぐ日替わり定食をオーダーする。

なぜか私の隣に部長、前に柊花という配置。


「柊花は今日、何をやっているの?」


研修がない今日は配属先で個々に業務を行うことになっている。


「製品を覚えるようにとカタログを渡されたので、朝からずっと見ているわ」


「そうなのね。製品を覚えることも必要だよね」


私もコロアールの製品を覚えた方がいいのかな?

人事部の棚にもカタログは揃っている。1度も手に取ったことはないけど。


「三上さんの部署では必要なことだね。数は多いけど、しっかりと覚えなくてはいけないから、ただ見ているだけではいけないよ」


さすが部長……しっかりと指導をしている。
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