控え目に甘く、想いは直線的
しどろもどろになりながらの返答に部長は「ふーん」と言った。その後は食事は重苦しい空気の中だった。

柊花と二人だけが良かったと何度も後悔してしまう。


「夕美、じゃあね」


「うん」


柊花と別れたあとは、部長と人事部に戻る。重苦しい空気は戻っても変わらない。大石さんが戻るのは三時。それまでずっとこんな空気の中にいなければならないと思うとかなり憂鬱。

一応全部に目を通したけど、気になる箇所を見返す。


「野々宮。これ集計しといて」


「はい。あの、どのように?」


部長から渡されたのは先週末に行ったアンケートの用紙だった。


「エクセルでもワードでも使いやすい方でいいし、形も任せる。野々宮なりに分かりやすく見やすいと思えるようにしてみて」


「分かりました。頑張ってみます」


力量をものすごく試されている感じがしたが、やるしかない。

とりあえず表にしてみよう。グラフがあったほうが分かりやすいかな。グラフまではいらないかな。


エクセルで作成することに決めて、設問がいくつあるか数える。
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