青い春
2 「ただいま」と自宅の玄関に入った。
家は暗く、父親はテレビをつけっぱなしにして寝ている。その周りにはビール缶等が散らかっていた。
 寝ていた父は俺に気付き、目を開けて「早く飯作れ。腹減ってたんだぞ!」と怒鳴ってきた。
 そう、これが俺の生活、現実なのである。俺には母と兄もいた。が、昔から両親は俺を兄と比べ、何も出来ないガキだと言って覚えている限りでは3歳くらいの頃から暴力を振るわれていた。ご飯を作ってくれないときもあった。しかし兄は唯一優しかった。そんな兄は両親が離婚し、母の方に引き取られた。
 俺は愛されてなかった。けど生きてる意味が欲しかった。だからせめて学校ではふざけたり盛り上げたりしてなんとしても存在意義が欲しかったのである。
 けど本当は思っていた。こんな生活に終わりはないと。

 こんな自分が生き甲斐と呼べるものを見つける日がくるとは思ってもいなかった。
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