青い春
2 しかし、朝のホームルームの途中に教室のドアを開ける女子がいた。
 俺は同じクラスの人をあまり知らなかった。と、いうのもクラス替えをしたばかりだったから。そう、つまりは荷物運びを手伝ってやった女子も。
 「遅れてすいませーん!怪我しちゃって」といい絆創膏の貼られた膝を先生に見せているのはそう、先ほどの女子だ。
 ホームルームが終わり、机の上で少し驚いた状態で固まっているとその女子がきて「さっきはありがとね!孝人くん!」といってきた。俺は何も言わずに教室を早歩きで後にした。
 男子トイレで大きなため息を吐き、壁にもたれながらさっきの女子の事を考えていた。俺が名前を自分から言ってないのに知っていてくれた人はその女子がはじめてだと思う。呼ばれたときの事を思いだし、また変な気分になった。なんか胸がモヤモヤするというかうまく言えないが落ち着かない。
 そんな風に過ごしていると授業の時間になった。めんどくさいからサボるか。
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