青い春
3 そう思っていたとき、一人の男子がトイレに入ってきた。
 「よお、孝人!こんなとこで何やってんだ?」
 そういうお前こそなにやってんだと思い、微妙な表情を浮かべて見せた。
 この男子の名前は祐輔(ゆうすけ)、俺とは小学校低学年からの付き合いで腐れ縁である。一緒に馬鹿なことをする、俺の相棒的存在だ。
 「そういやさっき女子に話しかけられてたな!お前驚いてそのまま出てったんだろ?」とゆうすけは前屈をしながらいってきた。
 「んなことねえよ!ただああいうのそこまで心地よくないだけっていうかさ。」
 「本当は嬉しかったんだろ?」と祐輔が言った。
 くそ、さすが長い付き合いだ。わかってやがるじゃねえか、と思ったがとりあえず「別に。」と否定しておいた。
 すると祐輔はにやけながら「まあいいけど後で名前くらいは聞いとけよー!」と言ってきた。
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