雨も好き。
「瑛星くん、だよね。あの時ぶりだね。」
“あの時”とは、なっちゃんを探しに教室に行ったあの日のことだ。
瑛星もそれを察したらしい。
「そうだな。
.....お前、今日夏海と来たのか?」
「そうだけど。」
平常を装い、しかし心の中は勝ち誇っていた。
「ところでさ、今回は何をやってくれたの?」
苛立ちがまたぶり返す。
「こっちの台詞だよ。あいつ、親の実家行くから俺と行けないだなんて嘘ついて...」
なっちゃんが?
「俺、あいつのなんなんだろうな。友達じゃねぇのかな。」
わからない。
僕だって所詮幼馴染みなのだから。
「っとわりぃな。ライバルに弱音吐いてる場合じゃねえな。」
そう言って消えていった。
あいつはなっちゃんの“友達”で、僕はなっちゃんの“幼馴染み”。
僕にあるのは、昔からなっちゃんの近くにいたという事実だけで、幼馴染みという、なんの努力をしなくともつけられる名前のみ。
先程までの勝ち誇った気分などすっと退けて、また心が乱れ始めた。
“あの時”とは、なっちゃんを探しに教室に行ったあの日のことだ。
瑛星もそれを察したらしい。
「そうだな。
.....お前、今日夏海と来たのか?」
「そうだけど。」
平常を装い、しかし心の中は勝ち誇っていた。
「ところでさ、今回は何をやってくれたの?」
苛立ちがまたぶり返す。
「こっちの台詞だよ。あいつ、親の実家行くから俺と行けないだなんて嘘ついて...」
なっちゃんが?
「俺、あいつのなんなんだろうな。友達じゃねぇのかな。」
わからない。
僕だって所詮幼馴染みなのだから。
「っとわりぃな。ライバルに弱音吐いてる場合じゃねえな。」
そう言って消えていった。
あいつはなっちゃんの“友達”で、僕はなっちゃんの“幼馴染み”。
僕にあるのは、昔からなっちゃんの近くにいたという事実だけで、幼馴染みという、なんの努力をしなくともつけられる名前のみ。
先程までの勝ち誇った気分などすっと退けて、また心が乱れ始めた。