雨も好き。
「こうやって話すの、久しぶりじゃない?なんか懐かしいね。」

なんてね、と少し寂しそうに見えたのは、気のせいだろうか。

「あたしね、ずっと後悔してたの。でもこの間、夏海に全部教えた時ね、あ、終わったんだなって。こうするしかなかったんだな、ってね。なんだか、すごくすっきりしたの。」

俺も、後悔した。

でも、春花がさよならと言ったんだ。

俺に止めることなど出来ない。

もう、春花に俺は釣り合わない。
そう思っていた。

「あ、夏海に話しちゃった、ごめん。」

慌てて付け足す。

「いいよそれは。」
遅かれ早かれ言うべきだとは思っていたから。

「あのねあたし、夏海、いいと思う。すごくお似合いだと思うよ。」

“お似合い”

春花と付き合っているとき、よく周りから言われていた。

それを春花の口から聞く日が来るなんて。

そんなことを話していたら、ケーキセットが運ばれてきた。

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