雨も好き。
そして、次の日の放課後。

今日は部活だ。

終わってから、夏海に声をかけようとしたが、避けられてしまった。

話すことが出来ないまま、駅へ向かう。

駅に着くと、そこには夏海と瑛星の姿。

─手が握られていた。

やはり古賀くんが言っていたことが嘘ではないと再確認させられた。

声をかけようとしたが、かけられなかった。

問いただすんじゃなかったの?

そう自分に言い聞かせても、体が動かなかった。

瑛星の手を握っているのは、夏海。

そんなことに傷ついていると、今さら気づいた。

瑛星の幸せを願ってるだなんて、大きなことを言っておいて、

自分はなんてやつなんだろう。

そう思っている間に、瑛星とあたしが乗る電車がやってくる頃になった。
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