雨も好き。
「あはは、何が嫌って、あんたと傘一緒に使わなきゃいけないからでしょーが。雨は好きだよ、当たり前じゃん。」

あー、ばか。

ほんとは瑛星がいつも通りでいてくれることも、いま、入学式の日のことを覚えていてくれたことも、すごく嬉しいのに。

「なにそれ。....悪かったな。」

そう言って、傘から出て駅まで走り去っていった。

「瑛星...!!」

やばい、怒らせちゃった。
嬉しかったのに。

瑛星とは反対方向だったので、駅についた頃には、もう瑛星の姿はなかった。
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