雨も好き。
そうしているあいだに、どんどんと時間は進んでいく。

そろそろ借り物の時間だ。

あたしもそろそろ抜けてアップしなきゃな。

『借り物競争に出場する選手は、スタート地点にお集まりください』

放送のあと、数名の生徒が移動を始める。

第1グループの中に、翔ちゃんの姿があった。

─これだけ、見てから。


パンッ!


勢いよくスタートしたが

翔ちゃん、速いよ。

なんで借り物にしたんだろう。

リレーでも十分いけただろうに。

そんなことを思っているあいだにお題を広げ、誰かを探しているようだった。

そして

─目が合った。

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