雨も好き。
それにしても、さっきの借り物のためだろうか、なんだか息切れが激しい。

体力には自信があったのに。
もう歳だなぁ。

『次は、男女混合リレーです。選手の皆さんはそれぞれのスタート地点へ移動してください。』

あまりアップできなかったけれど、さっき走ったので大丈夫だと信じて。

『よーい!』


ドンッ!


1人目が勢いよくスタートした。

5クラス中3番目。

それでも、1位との差はわずか。

そのまま2走目にバトンが渡され、そのままの順位であたしの元まで。

よっしゃ!

バトンもスムーズに渡り、目の前を走る人をとらえる。

越した!

するとそこには瑛星の姿。

「夏海!もうちょっとだ!」

瑛星に向かって一直線。

2位でバトンを渡した。

やった!

そう思った瞬間、視界が真っ暗になった。
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