雨も好き。

翔馬side

机の上で光る液晶画面に出た名前は

『佐藤夏海』

びっくりして、反射のように電話をとる。

「なっちゃん、大丈夫だった?」

あくまでも何気ない口ぶりで、明るく言ってみる。

すると、耳に入ってきた言葉があまりにも意外で。

「会いたい。」

僕の言葉を代弁してくれたかのようなその言葉に、考えるより先に体が動いた。

「ちょっと出てくる!」

そうリビングに声をかけて、サンダルをつっかけて駆け出す。

インターホンを鳴らして出てきたのは、なっちゃんだった。

そのまま、抱きついてしまいたくなる衝動を抑えて公園へ誘う。

沈黙さえも心地いい。

隣に彼女を感じていれるだけで幸せだった。

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