雨も好き。
空き教室の前の、死角になっている場所、この学校では『告白スポット』と呼ばれているところに行ったようだった。

その影から聞き耳を立てる。

こんなことなら、強引にでもダメと言えばよかっただろうかと今更ながら後悔する。

「11月1日、誕生日会来て。」

11月1日?

それは、俺の誕生日を夏海が祝ってくれると言った日。

鼓動が一気に速くなるのを感じた。

二人に聞こえてしまいそうなほどの鼓動を感じながら、それでもやはり聞き耳立てていた。

すると隣に気配を感じた。

見ると、そこにいたのは春花。

「!!!

びっくりさせんなよ....」

「ごめん、まぁ静かにしなさいよ。」

驚かせたのは誰だよ。

そう思いながらまた二人の会話に集中する。

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