雨も好き。
ギリギリで電車に乗りこむと、じんわりと汗がでた。

こんな日に限って寝坊とか最悪....

とりあえず、予定していた電車に乗れたのでここからはゆっくりである。

駅のトイレで整容チェック。

髪を整え、リップを塗る。

「よし!」

そう言ったあとに、他の人がいないか周りを見渡した。

トイレで独り言なんて恥ずかしい。

誰もいなくてホッと胸をなでおろした。


学校の前では、もう瑛星が待っていた。

「ごめん、待った?」
そう言って拝むポーズをとる。

「いや、待ち合わせまでまだ時間あるだろ。気にすんな。」

今気づいたけど...
「瑛星私服じゃん!」

「だからどっちでもって言ったろ?」

制服できたことが急に恥ずかしくなった。


「で、なんで学校?」

中に入るのかと思ったら、

「ま、ついてこいって。」

そう言って、学校から遠ざかっていった。

「え!?学校入んないの!?」

「なんでわざわざ休日まで学校にいなきゃなんねんだよ。俺はごめんだ。」

なんでどっちでもなんて言うのよー!?

瑛星は全く気にしていない様子で、

「置いてくぞ。」

と言って前を歩いていった。
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