雨も好き。
「わーーー!!」

思い出すだけで爆発しそうなほど恥ずかしい。

「ふぅーん?まぁ、良かったねぇ。」

こういう時、春花の察しが良すぎて困る。

「そ、それより!春花はどうなのよ!?」

春花はモテる。

入学したときにサッカー部のキャプテンに告白されたことから始まり、それから何度か呼び出されるものの、春花に彼氏が出来ることは無かった。

今でも後輩から同学年まで人気で、春花といると、通りすがりに振り向かれることが多々。

「んー、特になにも。」

これは聞いてもいいのか。

「...瑛星は?」

「私から告白する権利は無いわ。」

想われてるね、瑛星。

あんた幸せ者だよ。

「権利とか、なくない?」

春花はあたし達のキューピットだ。

あんなに傷つけたのに、またこうして一緒にいるし、瑛星とも友達でいられている。

全部全部、春花のおかげ。

だから、今度はあたしがキューピットにならなきゃね。

「そろそろ瑛星も登下校中に死んじゃいそうだし、助けてあげなよ。」

「あー、確かに。そろそろ死ぬわね、ありゃ。」

それからくだらない雑談をして、気づけば外はもう太陽が居なくなりかけていた。
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