雨も好き。
「さーて!ご飯でも作るか!なっちゃんも手伝ってね。」

今日は翔ちゃんの両親がいない。

準備を始める翔ちゃん。

数分後─

「「でーきたー!」」

めちゃくちゃ美味しくて、思わず笑みがこぼれる。

手伝いはしたものの、ほとんど翔ちゃんが作った。

「やっぱ翔ちゃん料理上手。お嫁さんにしたい。」

「お嫁さんはいろいろと厳しいかなぁ。旦那さんならいけるけど。もしくはお婿さん。」

「あ、そっか。」
ほんとに美味しい。ほっぺが落ちる。

「元気でてきたみたいだね。」
向かいに座った翔ちゃんが嬉しそうにこちらを見つめる。

「お風呂上がったら、話聞いてあげるから、ね?」

ずるいずるいずるい。

翔ちゃんって、わからないこととか、出来ないこととかないんじゃないかな。

スポーツも勉強もできるし、何でも知ってる。

─あたしの心までお見通し。
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