雨も好き。
ベッドになっちゃんをおろして、飲み物を取りに行った。

そうでなければ、理性が保てない。

深く深呼吸する。

「はぁー。」

二つの色違いのコップに、なっちゃんの好きななっちゃん(なっちゃんが好きだからなっちゃんと呼ぶようになったのは余談だ。)を入れる。

それから、クッキー。

自分に暗示をかける。

なっちゃんは友達。

そうでなければなっちゃんの傍にはいられない。

幼稚園の時から一緒で、なっちゃんのことなら何でもお見通しだ。

それに、なっちゃんは僕に嘘をつかない。

だから、なっちゃんの心が僕に向けられていないことだって知っていた。

暗示が終わると、お盆にそれらを乗せて階段を上がる。

ドアを開けると─
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