雨も好き。

翔馬side

なっちゃんのこと、諦めない、絶対。

そう決めたのは昨日のこと。

でも、まずはなっちゃんに元気になってもらわないとね。

朝食とお弁当をそれぞれ二人分作る。

なっちゃんと一緒に家を出る。
なんだか難しい顔で呪文を唱えているようだ。

教室が違うので、玄関でばいばいだ。

「あ!なっちゃん、お弁当─」

呪文を唱えるなっちゃんには、この声は届かない。

「...まぁいっか、昼で。」

そう思ってそのまま二人分のお弁当を持って教室へ向かう。
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