雨も好き。
話はそこで終わらない。

学級会によって、事は解決したように思われた。

しかし─

女子のあたしに対する態度がおかしかった。あきらかに避けられてる。

数日して、数人の女子に呼び出された。

「あやちゃんが翔馬くんのこと好きなの知ってたのに、なんであんなこと言ったの?さいてー!」
後ろではあやちゃんが泣いている。
「ともだち、だと、思って、たのにっ...!」

そういうことか。

それから、あやちゃんに頭を下げた私は、あやちゃんの翔ちゃんへの恋心が消えるまで、ずっと一人だった。

随分と堪えた。
あやちゃんはあんなに騒いでおいて、ひと月もすると翔ちゃんのことなど忘れていたようだったが。

翔ちゃんも大事、友だちも大事。

どちらも失わないように。

この事件が、あたしの人生の分岐点だったと思う。
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