雨も好き。
「「「もー疲れたぁ!!」」」

「何言ってんの、あと10分も歩けば着くよ。」

「「「えー!?まだ10分もー!?」」」

楽しい合宿。
だと思っていたのは、バスの中まで。

そこからが地獄だった。

坂道をかれこれ40分は歩いただろうか。

昨日回ってきたメールは
『結構歩くから、荷物少なめにね。』
とのことだった。
あたしはこのメールを見てから荷物をまた広げ、持っていく物の最終審査を行った。

だが、女子が二泊三日も泊まるとなると、荷物はだいぶな量になる。

歩くといってもこんなにつらいと思わずたかをくくっていた方々が約半数。

リュック1つと手提げバッグ1つに荷物をまとめたあたしでさえこんなに辛い。
その半数の方々はきっともう脚がパンパンだろう。

「だからメールしたじゃない。」
春花が先頭から声をかける。後ろも向かずに。あたしはその隣。

宿についた頃には、トータルで1時間は歩いていた。

そこは、年期の入った和風な宿。
しかも温泉付き。
夜は裏でBBQらしい。
「わー!素敵!!」
思わず声が出た。
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