雨も好き。
『Happy Birthday!!!』
その声とともに、クラッカーが弾ける。

カットケーキを寄せ集めて、ホールにしたケーキが2つ。

「みんなで考えたの。夏海が起きる前に話し合って、宿の方にも協力してもらって。」
隣で春花が微笑む。

「ありがとう、あたし、こんな誕生日初めて!」
涙がこぼれ落ちる。

「いつもポジティブな夏海に救われてるよ。」
「これからも、頼んだよ!」

今まで何に悩んでいたのだろう。あんな小学校の頃の思い出に引っ張られて─

コンビニのケーキがいつもより美味しく感じた。
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