雨も好き。
「あ!りんご飴!」
財布を持ってこなかったあたしは、本当に甘えた。
「射的だぁ~!」
うちの地区のお祭りには射的が来ない。
ドラマなどで見て、羨ましいと思っていた。
しかし、やってみると、難しい。
というより、そもそも準備段階からできない。すると

「かして?」
ガシャッ。
いとも簡単にやってくれた。
「はい。」
だから!その笑顔!反則だってば!

「なっちゃんヘタクソすぎ。」
最後の一発だ。
しかし、今までの4発、かすりすらしていない。
「んじゃあ翔ちゃんやってみなよ!」
少々膨れっ面。
「いいよ。どれいく?」
「あれ。」
一番難しそうなのを選んでやった。
しかし─
構えからしてプロなフォームの翔ちゃんが放った弾は、見事にそれを弾いた。
少々チャラめのお兄さんからその景品を受け取る。
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