ふたり。
第一章


目を覚ませばなんだか眩しすぎて…すぐに目を細めたけれど、サラリと黒髪をなびかせた…なんていうか…とても綺麗な、知らない女の子が俺の顔を覗き込んでいた。


目に涙を溜めて。


誰なんだろう、と暫くボーっとしてたらすぐにその子は口を開いてこう言ったんだ。




「お兄ちゃん…っ」





ああ



夢…?




これはきっと…夢だ…



だって何もわからないし、見覚えもない。


この場所もこの子の事も、自分の…名前さえも…




「………だれ?」




そして



彼女は涙を零した。



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