ふたり。

「……仕事はどうだ?」


そう問い掛けながら煙草に火をつけ、エンジンを掛け車を出す。


「んー?普通。みんな良い子だし、勉強熱心な子だよー?」

「そうか。今何人見てるんだ?」

「今は少ないよ。三人…かな。」


凜は今、家庭教師をしている。前は塾講師をしていて、その延長状かまた子供達に勉強を教えている。
相手は小学生から高校生まで幅広いが、主に不登校の子達を受け持っている為色々問題もあるらしい。

凜の性格上、その点では心配はしていないが…


「……彼氏できた?」


これが一番心配。


「できてません。いい加減毎日その質問ウザイよ?」

「…ウザイって言うな。おまえの事知ろうとして何が悪い。」

「別にいいけどそう毎日毎日同じようにする質問じゃないじゃない。昨日の今日で彼氏なんてできる訳ないでしょ。」


呆れたようにハァと深い溜め息を吐いた後、凜は暫くして「ここでいいから」と言うので車を停めた。
ありがとうとこっちに少し笑いかけた後、凜は車から降り歩いて行った。


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