ふたり。

「このとーりっ!!!!」

「黙って仕事しろ。」

「なんで!?なんで!?ねぇなんで!?なんでダメな訳!?今日の合コォーン!!!」

「凜が待ってる。」

「出たよシスコン。記憶無くなる前と全然変わんないじゃん。本当筋金入りのシスコンだね。」

「ありがとよ。失せろ。」


松井 純(マツイ ジュン)
毎日飽きもせず合コンに誘ってくるコイツは俺の記憶の無くなる前からの友人で、簡単に説明するなら単純馬鹿。お調子者でいつもヘラヘラ笑っている。


「それはそうと凜ちゃん元気ー??そろそろ顔が見たいなっ。」

「来るな。心配しなくても元気だ。早く持ち場に戻れ。」

「………鬼。」


記憶が無くなる前…親父の所で働く前、俺はこの会社で松井と働いていたらしく、俺が一から就職活動をしようとしていた所、松井が上司に掛け合ってくれもう一度この会社で働ける事になった。

以前の俺は成績優秀だった為、案外すんなり上も話を飲んでくれたそうだ。


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