バレンタイン狂詩曲(ラプソディー) 〜キスより甘くささやいて 番外編〜
夕方6時、すっかり商品のなくなってしまい、閉店の1時間前にgâteauは閉店の張り紙をした。
クリスマスもそうだったけど、俺ひとりでは、商品を作るのに限界がある。俺は、商品の質も落としたくないから、仕方がない。オーナーもそれは分かってくれているのだ。
今日もオーナーがコーヒーを入れてくれた。美咲と一緒に運んでくる。
美咲は店のみんなに今話題のショコラティエのチョコレートを用意していた。スパイシーなチョコレートだ。シナモンや胡椒、山椒なんかも使われている。面白い。
休みの日にデパートで買ってきたみたいだ。
談笑していると、店の扉をノックして、陽介が顔を出した。忘れてた。美咲を連れてサッサと帰ればよかったか。
「美咲ちゃん。」と陽介はにっこり、手招きするが、俺が、美咲の腕をつかんだので、やれやれ。と陽介は首をすくめ、店に入ってきた。
「颯太、俺にヤキモチ妬くなんてカッコ悪。」と口を尖らせる。
「うるせーよ、おまえを信用してねーだけだ。」と俺は眉間にシワを作る。オーナーが
「田島くんは颯太をからかってるだけでしょう」と笑い、陽介を見るけど、陽介は
「俺はケッコー本気なんですよう」とニヤニヤする。陽介は美咲の前に自分でラッピングしたと思われる箱を取り出して、
「俺が作ったチョコ。美咲ちゃんに最初に食べてもらいたくて。」と美咲に手渡す。美咲が俺の顔をちょっと見てから、
「ありがとう」と笑い、包みを開く。陽介が
「美咲ちゃん、恥ずかしいから、後にして。」と顔を赤くするが、美咲は
「みんなでイタダキマス。」とテーブルの上で箱を開けた。まあ、美咲だって、婚約者が目の前にいるのに、他の男にもらったチョコレートを持って帰る訳にもいかないだろう。俺が先に手を出して、口に入れる。
みんな、ホッとした顔をする。俺が思い切り、不機嫌にならなかったので、良かったと思ったのがわかる。俺って、そんなに怖いか?
「颯太〜、美咲ちゃんにあげたのにぃ!」と陽介が情けない顔をするのを無視して、噛み砕く。うん。
「美味いよ。30点」と俺が言ったら、陽介は
「それって、50点満点?」と聞いてくる。俺は無視して、
「チョコの扱いがまだ下手だけど、素人が作ったにしては、中に入ってる、コーンフレークとレーズンのバランスは悪くない。でも、レーズンに浸したラム酒の香りが強すぎる。まあ、今後の精進を期待する。」ってコメントすると、陽介は
「颯太、それって褒めた?」おい、どこを聞いたらそうなるんだ?
「期待するって言ったじゃん」と嬉しそうに顔を赤くする。…俺は笑って、頷く。
確かに俺はそういったな。と可笑しくなる。美咲が陽介のチョコレートを食べて、
「美味しい。私が作ったモノより、美味しいかな。」と呟く。俺は、
「美咲が作ったチョコレートなら、俺にとって、1番美味いチョコだよ。もちろん、100点だ。」と美咲に笑いかける。美咲が
「まだ、食べてないのに?」と呆れて、聞くので、
「もちろんだ。」とすかさず、耳元で囁く。陽介は
「ひでー!颯太って、アホだ。」と怒って、
「ずううっとイチャイチャしてろ!その間に俺がパティシエになって、颯太より、美味いケーキを作れるようになってやる!」とむくれて帰っていく。
宣戦布告だな。
俺はズンズン先を行くけどな。追いついて来いよ。
クリスマスもそうだったけど、俺ひとりでは、商品を作るのに限界がある。俺は、商品の質も落としたくないから、仕方がない。オーナーもそれは分かってくれているのだ。
今日もオーナーがコーヒーを入れてくれた。美咲と一緒に運んでくる。
美咲は店のみんなに今話題のショコラティエのチョコレートを用意していた。スパイシーなチョコレートだ。シナモンや胡椒、山椒なんかも使われている。面白い。
休みの日にデパートで買ってきたみたいだ。
談笑していると、店の扉をノックして、陽介が顔を出した。忘れてた。美咲を連れてサッサと帰ればよかったか。
「美咲ちゃん。」と陽介はにっこり、手招きするが、俺が、美咲の腕をつかんだので、やれやれ。と陽介は首をすくめ、店に入ってきた。
「颯太、俺にヤキモチ妬くなんてカッコ悪。」と口を尖らせる。
「うるせーよ、おまえを信用してねーだけだ。」と俺は眉間にシワを作る。オーナーが
「田島くんは颯太をからかってるだけでしょう」と笑い、陽介を見るけど、陽介は
「俺はケッコー本気なんですよう」とニヤニヤする。陽介は美咲の前に自分でラッピングしたと思われる箱を取り出して、
「俺が作ったチョコ。美咲ちゃんに最初に食べてもらいたくて。」と美咲に手渡す。美咲が俺の顔をちょっと見てから、
「ありがとう」と笑い、包みを開く。陽介が
「美咲ちゃん、恥ずかしいから、後にして。」と顔を赤くするが、美咲は
「みんなでイタダキマス。」とテーブルの上で箱を開けた。まあ、美咲だって、婚約者が目の前にいるのに、他の男にもらったチョコレートを持って帰る訳にもいかないだろう。俺が先に手を出して、口に入れる。
みんな、ホッとした顔をする。俺が思い切り、不機嫌にならなかったので、良かったと思ったのがわかる。俺って、そんなに怖いか?
「颯太〜、美咲ちゃんにあげたのにぃ!」と陽介が情けない顔をするのを無視して、噛み砕く。うん。
「美味いよ。30点」と俺が言ったら、陽介は
「それって、50点満点?」と聞いてくる。俺は無視して、
「チョコの扱いがまだ下手だけど、素人が作ったにしては、中に入ってる、コーンフレークとレーズンのバランスは悪くない。でも、レーズンに浸したラム酒の香りが強すぎる。まあ、今後の精進を期待する。」ってコメントすると、陽介は
「颯太、それって褒めた?」おい、どこを聞いたらそうなるんだ?
「期待するって言ったじゃん」と嬉しそうに顔を赤くする。…俺は笑って、頷く。
確かに俺はそういったな。と可笑しくなる。美咲が陽介のチョコレートを食べて、
「美味しい。私が作ったモノより、美味しいかな。」と呟く。俺は、
「美咲が作ったチョコレートなら、俺にとって、1番美味いチョコだよ。もちろん、100点だ。」と美咲に笑いかける。美咲が
「まだ、食べてないのに?」と呆れて、聞くので、
「もちろんだ。」とすかさず、耳元で囁く。陽介は
「ひでー!颯太って、アホだ。」と怒って、
「ずううっとイチャイチャしてろ!その間に俺がパティシエになって、颯太より、美味いケーキを作れるようになってやる!」とむくれて帰っていく。
宣戦布告だな。
俺はズンズン先を行くけどな。追いついて来いよ。