バレンタイン狂詩曲(ラプソディー) 〜キスより甘くささやいて 番外編〜
その日、帰って玄関で美咲を抱き上げ螺旋階段を上がる。
美咲は大人しく抱き上げられているけど、口の中で、シャワー浴びたい。と呟く。もちろんそんなのは無視だ。
2階の角にある寝室兼美咲の荷物が置いてある部屋の真新しいダブルベットにそっと美咲を横たえる。この部屋は2方向に窓が広がっていて正面の海と右手には江ノ島が良く見える。今は真っ暗なので、波の音だけ響いている。
俺はシャツを脱ぎ捨て、ベットサイドのテーブルにメガネをカチャンと乱暴に置き、美咲に覆い被さった。
数時間後、BAR山猫にメシを食べに行った。
この店は俺たちのクラスメートがママとしてやっている店だ。高校生の時は男だったけど、今じゃ、ナイスバディなオンナになっている。
金髪に体のラインがくっきりわかるタイトのドレスを着こなすトオルは店でシルビアと名乗っている。
金色のコンタクトレンズは猫の瞳の様だ。苗字が山岸だから、ヤマネコって事らしい。トオルは
「あんた達、食べてばかりいないで、チョットは飲んだら?ここは食堂じゃないって、何回言ったら、わかるのかしら。」と綺麗な笑顔を見せて、文句を言う。
「だって、明日仕事だし。」と俺がペリエを飲み干すと、
「ミサキチが夕飯作れないくらい、しちゃった訳だ。」と意味深な微笑みを浮かべる。トオルは高校時代の呼び名で美咲を呼ぶ。
美咲がむせ込んで赤くなる。それじゃあ、肯定してるだろ。まあ、俺は、確かにムキになっていたかもしれない。
「美咲がバレンタインに手作りのチョコくれないっていうんだけど、普通本命には手作りって決まってるんじゃないの?」と俺はまだ機嫌が悪い。トオルが
「なるほど。颯太は美咲が作ったチョコが食べたいんだ。」とクスクス笑って、
「ミサキチ、颯太はミサキチの作ったチョコならなんでもいいのよ。たとえ、どんなに不味くても。」と美咲に笑いかける。美咲は
「そういう訳にはいかないでしょう、練習するにはあと2週間しかないし、仕事だってあるんだから…」と口をへの字の曲げる。トオルが、
「颯太、練習付き合ってあげたら?」と言った。ナイスアイデアじゃん。
「美咲、今度の休みの日に1回一緒に作ってみればいいじゃん」と美咲の顔を覗くと、えー⁉︎と抗議の声を上げたけど、
「じゃあ、やってみて、上手く出来たら、作る事にする。」としぶしぶ言ってくれた。やった!Yes!と拳を握る。トオルは呆れて俺の耳に
「バ〜カ」と言って、また笑った。
その晩、俺はかなり嬉しくなって、眠る前にもう一度、美咲を優しく抱いた。
美咲が眠りに落ちる前に
「愛してるよ美咲。」と耳元で囁くと、
「私も愛してますよ」とそっと言ってくれる。
美咲の手で作られる俺だけのための手作りのチョコレート。
すごく楽しみだ。
美咲は大人しく抱き上げられているけど、口の中で、シャワー浴びたい。と呟く。もちろんそんなのは無視だ。
2階の角にある寝室兼美咲の荷物が置いてある部屋の真新しいダブルベットにそっと美咲を横たえる。この部屋は2方向に窓が広がっていて正面の海と右手には江ノ島が良く見える。今は真っ暗なので、波の音だけ響いている。
俺はシャツを脱ぎ捨て、ベットサイドのテーブルにメガネをカチャンと乱暴に置き、美咲に覆い被さった。
数時間後、BAR山猫にメシを食べに行った。
この店は俺たちのクラスメートがママとしてやっている店だ。高校生の時は男だったけど、今じゃ、ナイスバディなオンナになっている。
金髪に体のラインがくっきりわかるタイトのドレスを着こなすトオルは店でシルビアと名乗っている。
金色のコンタクトレンズは猫の瞳の様だ。苗字が山岸だから、ヤマネコって事らしい。トオルは
「あんた達、食べてばかりいないで、チョットは飲んだら?ここは食堂じゃないって、何回言ったら、わかるのかしら。」と綺麗な笑顔を見せて、文句を言う。
「だって、明日仕事だし。」と俺がペリエを飲み干すと、
「ミサキチが夕飯作れないくらい、しちゃった訳だ。」と意味深な微笑みを浮かべる。トオルは高校時代の呼び名で美咲を呼ぶ。
美咲がむせ込んで赤くなる。それじゃあ、肯定してるだろ。まあ、俺は、確かにムキになっていたかもしれない。
「美咲がバレンタインに手作りのチョコくれないっていうんだけど、普通本命には手作りって決まってるんじゃないの?」と俺はまだ機嫌が悪い。トオルが
「なるほど。颯太は美咲が作ったチョコが食べたいんだ。」とクスクス笑って、
「ミサキチ、颯太はミサキチの作ったチョコならなんでもいいのよ。たとえ、どんなに不味くても。」と美咲に笑いかける。美咲は
「そういう訳にはいかないでしょう、練習するにはあと2週間しかないし、仕事だってあるんだから…」と口をへの字の曲げる。トオルが、
「颯太、練習付き合ってあげたら?」と言った。ナイスアイデアじゃん。
「美咲、今度の休みの日に1回一緒に作ってみればいいじゃん」と美咲の顔を覗くと、えー⁉︎と抗議の声を上げたけど、
「じゃあ、やってみて、上手く出来たら、作る事にする。」としぶしぶ言ってくれた。やった!Yes!と拳を握る。トオルは呆れて俺の耳に
「バ〜カ」と言って、また笑った。
その晩、俺はかなり嬉しくなって、眠る前にもう一度、美咲を優しく抱いた。
美咲が眠りに落ちる前に
「愛してるよ美咲。」と耳元で囁くと、
「私も愛してますよ」とそっと言ってくれる。
美咲の手で作られる俺だけのための手作りのチョコレート。
すごく楽しみだ。