【同性愛】それでも好き
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お昼休みになって、ケンジと俺はダッシュで購買へ走った。
お目当てのパンは常に争奪戦!
誰よりも早く手に入れたいのだ。
争いから抜け出した俺らはとりあえず、食堂のテーブルに着く。
「俺の勝ちだったのに…」
「一歩譲って同点にしたんだから文句言うなって!」
結局バスケの勝負は同点ということになった。
おかげでパンの争奪戦に参戦しないといけなくなった…
あの争奪戦は、かなり体力がいるんだ…
後からゆっくりケイが弁当を持って一緒にテーブルを囲むと、俺らは食券を握ってその場を離れた。
どうでもいいような話をしながら並んでいるとあっという間に順番はきてお盆に昼食をのせてテーブルへと戻った。
「龍ちゃん今日もカレー?俺の弁当あげようか?」
お盆の上のカレーを覗き込むとケイがわざわざ弁当を俺に見せて言う。
ケイの弁当は、色とりどりで綺麗で美味しそう。普通なら欲しいと言いたくなるが…
「いいよ…お前、作った弁当だろ?」
「俺が作った弁当だから食べたいんだろ?」
「…ケイは何処まで本気で何処までが冗談なのか…」
苦笑いを浮かべながらカレーを一口食べる。
ケイは不服そうに頬を膨らませる。それを見たケンジが楽しそうにケイの卵焼きをひとつ取り食べ言う。
「全部、本気だよな?」