【同性愛】それでも好き
コクコクとケイが頷くと、ニヤニヤと俺を睨むケンジ。
俺はそれを見て見ぬフリをしてパクパクとカレーを食べ続けていると、聞き覚えのある声が俺を呼んだ。
「ここ、空いてる?」
モグモグと口を動かしながら顔を上げると、体育館のアイツがニコっと微笑んで立っている。
「……」
胸が弾んだ。
全身が緊張していくのがわかる…
「あれ?ダメ?」
「だ、ダメじゃないよ!どうぞ」
隣のイスを少し引くと、アイツはちょこんと隣に座った。
「龍ちゃん誰?可愛い子~」
「3組の子だよ!ケイ、俺先生に呼ばれてるから食べ終わったら職員室ついて来て」
「いいよ~」
ケイの質問は俺が言うまでもなくケンジが答え二人は早々と食を進めていく。
「俺も行こうか?」
「龍はいいよ!その子一人にしちゃ可愛そうだろ?」
ケンジの目線の先はニコニコと微笑むアイツ…。
そういえば、なんで一人なんだろ?
名前とかも知らないな…
「龍って言うの?」
「…え?」