【同性愛】それでも好き


*********


「あれ?龍ちゃん…どうしたの?」

ケイの声が横から聞こえる。


「…眠いんだ、放っておいて。」


机の上で寝たふりをしているとケイは心配してくれたのか寄ってきた。
体を揺すって「遊ぼう」ばっか言ってくる…


「ケイ…、新刊の漫画買ったけど読む?」

「ケンちゃん!龍ちゃんが…」

「うん、眠いなら放っておこう。きっと体育で動きすぎて疲れてんだろ?」


2人のやりとりも俺の中じゃ遠くで聞こえていた。
ケンジがうまくケイを取り巻いてくれたのは嬉しかったけど、その礼を言う余裕すらなかった。



体が熱い…



なんでこんなに泣きたい気持ちになるんだろう?
なんでこんなときに限って、


向日葵の笑顔ばっかが浮かぶんだろう?


< 23 / 68 >

この作品をシェア

pagetop