【同性愛】それでも好き
呆然と、何かを考えているわけでもなく歩いていると気がついたときには教室だった。
まるで夢のなかで場面が変わるようだった…。
そのおかしな感覚は、足をも浮かせている気がする。
薬を飲むと楽だけど、こうやってどこか浮いてしまうのが辛いところだ…。
自分の席に着いて周りを見渡した。
この教室は男ばかり…。それは当たり前で、女のいる教室の方が珍しい…なのに、なんでこんなにモヤモヤして…誰かを探してるんだろう。
「石橋くんいますか?」
低い声が飛び交う教室に、可愛い声が通り過ぎる…
俺は視線を扉へと向けた。そこには、スカートをはいた女子が立っていた。
「石橋!んだよ~、彼女か?」
「ちげーよ!」
冷やかしの声が一気に教室を盛り上げる。石橋はからかう男子を殴りながら彼女の元へと向かっていく。
「…女か…」