【同性愛】それでも好き
不意にボソっと呟いた言葉をケンジは逃さず拾い上げた。
「あんな高い声、男ではないだろ?」
「それはそうだけど…、女か~って…」
「珍しい?」
「そうだな…」
「まぁ…こんな男しかいない教室に女は寄り付かないからな」
クスクスと笑うケンジの笑みを見つめていると、不意にあの笑顔が過ぎった。
…そうか…、そっか…俺は、向日葵を探してるのか…
あんなひどいことを言って、嫌われて当たり前なのに…、それでもアイツを探してるのか…
「龍?」
「…なんでもない…」
そのまま口を閉ざし、窓の外を見つめた。
時間は、あっけなく過ぎていた…
また時間が飛んで4限のチャイムが終わりを知らせる。
「龍、大丈夫か?ずっとぼおっとしてんぞ?」
「え?…あ~、まぁ大丈夫だよ」
みんながそれぞれに昼食の用意を始めてる。
半分くらいは弁当、残り半分は食堂や部活…