【同性愛】それでも好き
階段を降りていると自然に俺が先を歩いていた。俺は向日葵と言う名前に思わず振り返り確認した。
「…うん…、風邪だよって言ったら何も言わずに帰っちゃった!」
「へぇ…そうなんだ。」
まさか向日葵が来るとは思わなかった。だって、あんなことを言われて会いたいとは普通思わないだろ!それとも…、それともアレか?ムカつく俺を殴りに?!
「ケイが、向日葵くんに意地悪な事言ったから…謝っておいて」
「は?何?アイツ何言ったの?」
「龍は俺のもんだってね!」
クスクス笑うケンジ。
俺は多少なりにムカついていた…だって、俺はケイのもんじゃない!
一人、ここにはいないケイと格闘しながらイライラしていると、ポツリとケンジが呟いた。
「それを言ったあとくらいに来たから確かめにきたのかもな!ケイが向日葵くん見て、『確かめにきたのね』って言ってたから」
確かめに?
…一体何を?
本当にデキているかとか?
「どうなってんのか知らないけど…、今のその顔は…どっちかに否定したいんだな?」
「え?」
慌てて窓で自分の顔を確認した。
そこには引きつった顔をしている俺がいる。
「ケイは、いつだって本気だって事を忘れるなよ?」
それだけ言うと、俺を追い越し食堂へと入っていく。その姿を俺は足を止めてただ見ているだけだった。