【同性愛】それでも好き
ゴクりと息を呑んだ。目の前には、半泣き状態に近い向日葵が上級生らしき人たち3,4人に囲まれている。
どうみたって怪しい雰囲気なのに、その前を通り過ぎる生徒は誰も声をかけようとはしない。
「アレって…3年の人たちだろ?」
ケンジが不思議そうにそう言いながら俺を見つめた。
「なんで3年の人たちが向日葵くんに?何かしたのかな?」
「…向日葵は食堂に来たがらない…一人で…来ない。那智?」
俺はあたりを急いで見渡したけど、何処にも那智はいなかった。だとすれば、向日葵は一人で来たのかな?
一体なんのため?
「お願いっ…うっ、離して…」
必死に手を引いて離れようとしている向日葵を、他のヤツらはニヤニヤと微笑んだまま離そうとしない。
「おい、龍…ヤバいんじゃないのか?」
体は勝手に動くものなのか…