【同性愛】それでも好き
「あー、ありがとう!」
止めてくれた人はダボダボのジャージを着て、壁に背を当てて座っていた。
そのまま立つことなくボールを俺にヒョイっと投げてくれる。
「……どうも」
男にしては少し高い声に、俺は受け取ったもののそのままその場で立ち尽くした。
ずっと立ってる俺にソイツも気づいたのかチラチラっと俺を見ると恥ずかしそうにしながら言ってきた。
「なに?」
「え?…や、何もないけど…」
「ボール待ってるよみんな…早くいけよ」
「うん…」
口調は男だ。
顔も男だった。
でも、肌が白くて、すっげーキラキラした瞳
「…なに?」
「なんでも…ねぇーよ」
振り返り、相手に背を向けるとボールを待つヤツラに投げる。
ゲームが再開されるとまたワーワーと騒がしくなった。
ケンジとの昼飯のパンが懸かった勝負だから、俺もかなり必死に戦った。
「タイム、タイム~!メンバーチェンジ!」