【同性愛】それでも好き
「さぁ~何処だったかな?龍と話せる場所に行きたかったんだけどね」
ナゲットと一緒にたのんだ水をクイっと一口飲むとニンマリとした顔で俺の頭を撫でた。俺は急な行動に驚き、気持ち悪いといいながらケンジの手を振りはらった。
「俺と話したいって何?昼間何処にいたとか?」
「ん~…それは何処でもいいよ…それより、なんで泣いてた?」
俺が食べ始めたポテトをひょいっと取るとパクリと食べ、全てお見通しと言っているような顔で俺を見ている。
「コンタクトなんてしてないのに、下手な嘘つくくらい必死に隠したかったのは?」
「……ん~。」
「向日葵くんと何かあったんだろ?」
ケンジは不思議な喋り方をする。「うん」と頷かせる魔法でも知っているようだ。
「…この想いは消えると思ったんだ」
窓のそとには駅に向かう学生が歩いている。ティッシュを配るお姉さんに、買い物帰りのお母さん…
みんな、俺と同じ想いをしたことがあるかな?
もしこれが誰でも通る道ってヤツなら…通りすぎるのはいつなのか教えてほしい…