【同性愛】それでも好き
「どの想いだよ?」
「…男を好きになるなんて、青春の過ちって言えば笑って終わらせられるかな?」
「…過ちなのかよお前にとって」
ドキっとするような少し怒った声に俺はケンジに視線を向けた。
「だったら、ケイのお前に対する気持ちも過ちで済ませるのかよ?」
滅多に怒らない人が怒ると怖い。それは迷信ではない…事実だ。
ケンジの怖い瞳は何処かで那智にそっくりで、怖くて視線をそらした。
「わかんねーよ…過ち程度なら消えるって思ったのに、消えねぇんだよ…。どんどん膨らんで…、苦しいんだ…。」
わけがわかんなくなって、勝手に涙が溢れて…
「好きなのに…すっげー好きなのに、怖くて言えない。もし俺が半端な気持ちだったとしたら向日葵を傷つける…そんなことしたくねぇんだ」
消そうと思っても、それに負けないくらい向日葵の笑顔が浮かんで…、苦しくて泣きたくなったら向日葵の声が聞こえて…『龍』って俺のこと読んでんだ…
「こんな俺より、もっと向日葵を好きなヤツがいる…。俺なんかより、絶対幸せにできるヤツがいる…」