【同性愛】それでも好き

 ケンジチームがタイムと取ると、一度足を止め息を整える。
 汗がダラダラとこぼれて、シャツは汗だらけ!


「龍!お前最後に3ポインと決めろよ!そしたら勝てる」

「…んな簡単に言うなって」


 シャツの袖で汗を拭うと、ふとさっきボールを拾ってくれたヤツに視線がむかった。



「あ……」


 そいつは笑っていた。
 すっごい笑顔で、透き通るような笑顔で…


「可愛い…」


 ポロっとこぼれる本音に俺は思わず口を手で覆う。

男相手に、可愛いわないだろ…


 でも、そいつは可愛い声で笑っていて、可愛いそぶりで他の男に手を振る…

 その行動に、わけもなくイラっとしてしまう。
 
 触るな!って怒鳴りたくなる…


「龍!!よそ見すんな!」


 気が付けば始まっていたゲーム
 ボールはまた俺にやってきた。
 が、俺はあいつばかりを見ていたせいかボールをうまく取れずまたコートの外に出してしまった。


< 5 / 68 >

この作品をシェア

pagetop