【同性愛】それでも好き


「はぁ~」


真剣な俺の前をため息が通りすぎる。さっきまで怒っていたのに、今度は呆れている…


「ケンジ?」

「バカだな!そんなこと考えてる時点で半端な気持ちじゃないだろ!
それと、誰かはわかんないけど自分より幸せに出来るやつがいるからなんだ?そんなの、超えればいいんだよ!」

「簡単に言うな!」


立ち上がり怒鳴ると、ケンジは下から俺を見上げニンマリと余裕のある表情を作った。



「簡単だよ…、それは龍次第なんだから」


「は?」


ケンジは急に窓の外をみつめると誰かを見つけたのかじっとソイツを見つめた。




「人にはいろんな想いが存在して、そこにはいろんな好きがある。本が好きとか、女を好きとか…」


俺も一緒になって窓の外を見ているとケイを見つけた。ケンジもケイを見つめているみたいだ。


「いろんな好きは存在してる…、男を好きなのだって立派な好きのひとつ。それを感じるのが少ないだけ。
好きに決まりはないんだよ?」


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