【同性愛】それでも好き
ピクリと背筋が伸び恐る恐る横を見ると、怒ったケンジが二人を睨んでいた。
「おはよう、陸…石橋。」
「お、おはよう…」
「はよう…ケンジ、遅かった…な」
ケンジの睨みに二人は硬直していた。声が震えてる。
「笑ってんじゃねーぞ」
低い声がそう言うと、ケンジはすぐに自分の席についた。他のヤツには爽やかに挨拶とかしちゃってるけど、どうみてもあれは完全にキレている。
「おい…お前が変なこと言うからだぞ?」
「は?陸が…」
2人のなすりつけあい…見ていて醜い。
「妄想ばっかしてねーで、お互いのかじってろ」
―ガコンっ!バタン…
俺が机をけると、そのまま床に倒れこんで中に入っていたものは全部出てしまった。俺はソレをみつめながらイライラして…動けなかった。
「お前らに、何がわかんだっ」
俺は誰かとヤりたいんじゃない。
ただ純粋に一人の人を好きなだけで…
「龍…何、お前まで怒るなって…ハハ」
ふたりが机の中身を拾いながら俺の顔色を伺っている。そんなことですら俺にはイラついて仕方なかった