【同性愛】それでも好き
「バカにすんな…、お前らに何がわかんだよ。」
立ち上がり俺は教室を出て行った。みんなが俺の名を呼んで引きとめようとしてくれたけど、振り払って屋上へと逃げていった。
誰もいない場所でもっとちゃんと考えたい。胸の中では、ケイに言う言葉は決めているのに、アイツらを見ていると動揺してしまう。きっとこれが、那智のいう普通の恋愛とは違うなんだろうな…
「…はぁ~、最近こんなんばっかだ…」
フェンスにもたれて顔を上げると、青い空が広がっていた。太陽の暖かさは気持ちよくて、悩んでいるのを忘れさせてくれる。
「…難しいな・・・」
昨日の夜は眠れなかった。
ずっと向日葵の言葉が頭から抜けなくて、それと一緒にケンジやケイ、那智の言葉も頭から離れなかった、
グルグルと頭のなかを空回りして、自分が出したい答えがどんどん遠くなっていく気がした。
それと同時にふと不思議に思った。
『どうして人間は異性を好きになるのが普通なんだろう?同姓を好きになることをなんで、気持ち悪いをか普通じゃないって括りになるんだろう?』
ケンジの言う通り、いろんな好きは存在するのに…