【同性愛】それでも好き


「ちょ、話が見えないんだけど…」


「きっと龍につけられた傷なら、ヒーは全部喜びに変えてしまいそうだから…」


俺に顔を見せずに立ち上がる那智は、そのままクルリと反転し背を向けた。



「もし本気で向日葵が好きなら、俺の言った言葉は忘れてくれていい。あれは間違いだった…それを気づかせたのは龍だからな…。」


「那智、待って…那智も好きなんだろ?だったらさ…」


「好きでいる時間は関係ないんだ…俺はどんなに長く居ても、見えていなかったから…、気づくことさえもできなかった。半端な気持ちだったのは俺の方だから…な」


グイっと制服を引っ張り離れていかないように那智を止めて、一緒に俺も立ち上がった。


「那智…俺、俺さ…」


言葉がうまく出てこない…。



そこまで向日葵を考えてる那智に諦めてほしくない気持ち、でも向日葵を好きな気持ち…。



「後悔なんてしていないよ。もっと堂々としてろよ、好きなんだろ?ヒーが…」


「えっ…」


ギュっと掴んでいた制服を解き放すと那智は優しく振り返り俺にそう問いただした。


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